びっきぃ

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のびっきぃのレビュー・感想・評価

3.7
「リミット」「ギルティ」もいいけど、これもあり!!ワンシチュエーションの新風!!!

あの時“人生の分かれ道”だったと回想することはあるだろう。主人公のロックは、まさにその分かれ道に立っていた。大手建設会社の現場責任者として絶大な信頼を得ている彼は、キャリア最大の大切な仕事を翌朝に控え、今夜は愛する妻子と共に過ごすつもりだった。そんなロックのもとに突然1本の電話がかかってきた。家族との約束も明日の大仕事もすべて投げ出してまでも彼にはやるべきことがあったのだった。しかし、他人には理解しがたいその決断は、仕事仲間や家族を激しく動揺させ、愛車のナビと同期した電話は、鳴り止まない。その先の運命は、破滅か。希望か。


画面には、高速道路を疾走するロックと、車の通話機能から流れる相手の声のみ。これぞワンシチュエーション!!
とろける様な映像は美しく、何処か気怠く遠くを眺めて運転するような、ぼやけた視界は、精神的に急かされた運転への危機感と、これから待ち受けるであろう危機感を暗示しているようだ。また、ロックの独り言と、電話越しでの情報でストーリーは展開されるのだが、状況をつたえるのがうまい。bgmのタイミングも最高で何をとっても秀逸。

ロックの運命は、彼自身が決めるもの。しかし、皮肉にも、ハイウェイは引き返すことはできない。
びっきぃ

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