西木

ジェイン・オースティン 秘められた恋の西木のレビュー・感想・評価

3.6
「財産じゃなびかないわ」
「何ならなびくの?」
劇中の会話の、その答えを探すかのようなジェイン・オースティンの伝記映画。


DVDの表紙がやたら安っぽいのだが、中身はかなりしっかりと作り込まれた画面構成やイギリスのどんより暗い田舎の森やら遠浅の海!
絵的にも観る価値があった。

女性の自立が難しい時代にペンの力で立ち上がる凛々しいジェイン・オースティンにアンハサウェイがあまりにもぴったり。
そしてマカヴォイがずるい...背が高くないのを補うのに余りあるあのチャームずるいだろが...。

『高慢と偏見』を読んでいる最中なので劇中で朗読される『第一印象』の冒頭箇所の文章も記憶に新しく、物語の内容を思い出しつつも楽しく観られた。
『高慢と偏見』で主人公エリザベスの父親や姉が好ましく描写されていることなどもなんだかこれを観て納得できる。

舞踏会で背中越しに喋ってるシーンが個人的MAXでした。
恋愛ものはくっつく寸前が一番面白い〜。


女性の作品は現実や生活からの逃避や孤独感を埋めるなど、生き抜くために必要な創作であることが多いなと感じる今日この頃。
西木

西木