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ギヴァー 記憶を注ぐ者のktyのレビュー・感想・評価

ギヴァー 記憶を注ぐ者(2014年製作の映画)
3.9
未来管理社会で、過去は消去され、思考する言葉は制限され家族ではなく、システムが決めた家族ユニットで生活を強制されるモノクロの世界。

境界の中で閉ざされた社会で、職業もシステムが選択し人に授ける社会、就活しなくていいなら楽だなあと感じたが、それが選ばれた人、つまり適者生存を前提とするなら、平和そうに見えて恐ろしい社会だ。

そんな人工的な社会の包有する意味を、映像は、色で暗喩したところが、斬新な表現で感心しました。

色で思考を試すことができるかどうかは受け手の語彙の豊さに比例するから、言葉の使用を制限する社会は、思想の自由を制限する社会ですね。

これは現代にもいえることで、社会で新しい言葉が生まれたり、古い言葉を使うことを禁止されることは、知らず知らずのうちに、自由な思考から、その社会が求める思考に、変更を強制されるのかもしれません。

しかも本人が無自覚で正しいと考え、そこから世論形成されるとしたら、社会は個人の尊厳を修正することで成り立つのかという疑問が浮かぴました。

これが児童向けSFが原作とはびっくりです。
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