MitsuhiroTani

ローマに消えた男のMitsuhiroTaniのネタバレレビュー・内容・結末

ローマに消えた男(2013年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

「修道士は沈黙する」のロベルト アンド監督の美意識と、柔らかな知性、そして、ほんの少しのスパイスのような風刺には感服するしかない。
時代の閉塞感の中、政治的に行き詰まった野党党首が失踪。困った腹心の部下が、長年疎遠だった党首の兄を訪ねる。
双子の兄は心を病んだ哲学者。施設で抑圧された思想を聴衆の前で雄弁に語ることで、心の解放、自由を手に入れる。
一方、党首である弟は、パリに生きるかつての恋人のもとを訪ね、スケジュールに縛られない自由な時を過ごす。
原題のVIVA LA LIERTA は自由万歳。
ラストシーンは様々な解釈が可能。
私は、やはり弟であると思う。二人が手に入れた自由は本当の自由ではない。
永遠には続かない自由。だから、元の場所に戻るしかない。

若い頃、二人はよく入れ替わっていたという。きっと、弟も兄を装った振る舞いができたのだろう。
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