歳をとったらトニ・セルヴィッロになりたい。
でもカッコいいスーツもダンディさも髪の毛も足りないよ(´O`)。
政治家という職業のアジテーター的側面と権力故の孤独という代償を表情以外には見た目に殆ど変化の無いトニ・セルヴィッロが1人2役で演じきる。
「イル・ディーヴォ」の時とは違い躍動感のあるカリスマ性を放つ。
「語るべき言葉がない」「死にかけの鰯」と形容されたイタリア最大野党の書記長でありながら頼りないエンリコ。
そこから鮮やかすぎる弁舌と諧謔でメディアを煙に巻き、大胆なパフォーマンスで群衆心理の核心に迫る古の大カトーもかくやと思わせるジョバンニへの静かな変貌が凄い!
まるで昨日迄直線的ドリブラーだったのがいきなりワンプレー毎にファンタジーアを漂わせる華麗なクラッキに変身したかの様な独特のダイナミズムが感じられる。
ジョバンニに次第に感化されていく人々とエンリコを優しく包む周囲の人々のドラマも細やかな所も良い。
イタリアのリアリズムとフランスのエスプリの効いた確りとしながらも暈されたような印象の映画だった。
少し穿ち過ぎと感じる原題離れした邦題も結末の考えようによっては有りなのかも。
綺麗な所だし昔食わされた不味いピザ屋に復讐してやりたいからとりあえずローマに行きたい(´Д`)。