Hare

消えた声が、その名を呼ぶのHareのネタバレレビュー・内容・結末

消えた声が、その名を呼ぶ(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます



鶴を観た親子三人は望まぬ形で世界中を旅することになる話
戦争が終わった後の解放されたアレッポの街と石鹸工場の貧しいけど活気のある雰囲気がいい(特にチャップリン映画にナザレットもつい笑顔を見せているシーン)

最初は罪を告白し、乞食に銭をやり、イスラム教への改宗も断る信仰熱心で善良だったナザレットもこれだけの地獄を歩む中で神を信じることを辞め、娘に会うためなら盗みも働くこともいとわないことがが切ない
それでも、敗戦後街を追われるトルコ人に石を投げなかったり、アメリカで女性が襲われるのを助けたり善良な心が少しでも残っていたのが救いである。


{Act1}アルメニア人一家の幸せは戦争と共に終わりを迎える
職人ナザレットは妻と双子の娘ルシネ、アルシネと幸せに暮らすアルメニア人

第一次世界大戦を戦うオスマン帝国に徴兵される

厳しい重労働や改宗の強要の末喉を割かれて殺されかけるナザレットは死ぬ寸前で助けられるが声が出せなくなる
PlotPoint1:合流した脱走兵とともに活動するうちに故郷が荒らされたことを知り家族を探す旅に出る

{Act2}家族を探す旅
死の行進を経て女子供が集められたラース・アルラインに到着するも、そこに広がるのは地獄で義姉以外家族は皆死んでいた

あてもなく旅を続けていた所を石鹸商人に救われアレッポへ

オスマン帝国が敗戦し今まで自分たちを弾圧してきたトルコ人が弾圧される側になる
トルコ人から開放された街では映画が流れ、ナザレットは娘のことを思い出して涙を流す
MidPoint:再会した弟子のレヴォンから娘が遊牧民に預けられたことを知る

娘を探し回るうちにレバノンの孤児院に娘たちがいたことが分かるが、既に1年前にキューバに旅立っていた

船で雑務をこなしながらキューバに向かう
双子を保護していたハゴプにあうも、二人が半年前にミネアポリスのエデルマン工場に向かったことを知る(既に神への信仰を失っている)
電信を送るが、二人は既にエデルマン工場を辞めており所在は分からなくなっていた

PlotPoint2:ルシネとの結婚を断ったアルメニア人の金を盗み渡米

{Act3}アメリカ編
アメリカでは鉄道などで働きながら各地を転々とし、ついにアルメニア人移民が住むラソでルシネとついに再会
少し前に死んだアルシネの墓を二人で訪れる
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