足らんティーノ

消えた声が、その名を呼ぶの足らんティーノのレビュー・感想・評価

消えた声が、その名を呼ぶ(2014年製作の映画)
4.0
『愛より強く』『そして、私たちは愛に帰る』に続く「愛、死、悪に関する三部作」の最終作にして、アルメニア人虐殺を題材にしたマスターピース。

汚いもの、この世の地獄のクオリティの高さがファティ・アキン。
アルメニア人強制移住先の居住区ラース・アルアインの地獄で、ナザレの名前もあり、救いを求める義姉を抱く主人公は、イエスのように見える。
この絵画のようなシーンが白眉。
そして、神の無慈悲を知ったナザレットは信仰を捨てる。

邦題がいい。消えた声がナザレットの名前を呼び、ナザレットの消えた声が娘の名前を呼ぶ。

チャップリンの偉大さ。

オスマン帝国について予習をしてから鑑賞。
アルメニア人には、西ヨーロッパの影響を受け、カトリックに改宗したり、富裕層や民族主義者が多くいたため、第一次大戦後の前後に利敵行為を防ぐためにジェノサイドが行われた。

2022-264/字幕
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