LEGION

ハングリー・ハーツのLEGIONのレビュー・感想・評価

ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)
3.0
家族がどうあるべきなのかを問いた作品になっていた。しかしこの作品は家族の形の失敗を示しただけで正しい形がどのようなものなのかは教えてくれない。むしろ家族が何なのか余計にわからなくなってしまう。主人公、主人公の母親などが主人公の妻に振り回されて心身共に追い込まれていく様が一層緊張感を増し、妻自身も得体の知れない不安感に飲み込まれ心身が追い込まれていく様は狂気じみていて怖さがあった。子供を大切に育てたいという思いは共通であるはずなのに意見が真逆になる夫と妻。登場人物全員が過った方向に進んでいくのに悪という存在がいなかったのは全員にそれぞれの思う良心があるからだと思う。
異常な妻の行動に理解を示そうと努力していく主人公にはとても優しさがあるように感じる。
しかしそれでも正しい方向に持っていくことはできず悪い方向へ進んでいってしまう。人間が優しさだけで成り立たないということを十分に示していた。主人公の視点から描かれるため夫への感情移入がしやすく、妻の思考が読めなかったのは良かったが、客観的にこの作品を見ても妻の考えを理解できなかったのが少し残念だった。何故子供に対して異常なまでの育児に発展したのか。理由については触れられているが、抽象的すぎて納得しづらかった。
LEGION

LEGION