ハングリー・ハーツの作品情報・感想・評価

「ハングリー・ハーツ」に投稿された感想・評価

☆概要
赤ちゃんが栄養失調に陥っているのに、母親は妙な宗教(?)にかぶれてまともな食事を与えない。困惑する父親はどうすればよいのか。

☆雑感
①冒頭シーンがまず存在意義自体不明。ストーリー本筋に必ずしも関わらないだけに、下品さが少々鼻につく。ユーモラスといえばユーモラスなのだろうが…。
②出産に至る経緯ということなのだろうが、濡れ場がいささかくどい。
③奇をてらったカメラアングルが随所にあるが、これは効果的。母親の病み具合がより痛々しく伝わってくる。
④予告映像で「ラストは観る者の価値観を揺さぶる」と煽られているが、ミスリードのように感じる。衝撃的ではあるが、価値観というのは…??
とはいえ、要所を敢えて極端にしているだけで実際は身近にありそうな話とも言えるので怖い。薄めて一般化すると、

・育児方針で若い夫婦が対立。
・夫婦の片方の思想・信条の歪みが出産後に顕在化したら…。
・姑の介入で話が一層拗れる。

といったところか。
⑤福祉関係の役人が全く当てにならない点にフラストレーションがたまるが、現実的なのだろう。
⑥母親役の女優の病的演技が天晴れ。痩せ細った裸体、トボトボ歩く様、極めて静かな怒りの表現など。ヒステリックに暴れるより何倍も怖い。
On

Onの感想・評価

4.7

このレビューはネタバレを含みます

「スター・ウォーズ」カイロ・レン役、アダムドライバー主演のイタリア映画。大好きなアダムドライバーが出演しているので見はじめたのですが、衝撃の内容で、色々と考えさせられました。
予告編もポスターも見ずにいきなり見たので話のあらすじなどは全く知らない状態で鑑賞しました。
はじめはラブストーリーとして展開され、幸せな家族だなぁと思っていたのですが、アダム演じるジュードの奥さんのミーナが、子供を異常に過保護に育て始めます。
例えば、病院どころか家の外にも出さない。家で育てた野菜しか与えない など。子供に害があるものを少しでも排除しようとし、人工物=毒 と考え、食品添加物、電磁波、排気ガスなどを完全に避け、医者は信用せずに独自の子育てをします。
その考えはよく分かりますし、本人は正しいことをしていると信じて子育てをするのですが、ジュードは、子供の熱が下がらなかったり、痩せすぎていたりすることを心配し、こっそり医者に見せるのですが、予想通り子供は成長が遅く、至急栄養が必要という状態でした。このように、
愛の強すぎる母親
子供もミーナもこの上なく愛しているが、子供が飢え死にするかもしれないという危機感に悩まされ必死な父親
の溝が深まっていったのです。
2人とも決して悪気はありませんが、価値観の違いから様々なトラブルが起こっていきます。
この映画を見たあとで、ポスターや予告編を見ると
「愛」なのか「狂気」なのか...
というキャッチフレーズが使われていました。
愛と思うか狂気と思うかは、誰に共感するか、誰に感情移入するかで変わってくると思います。
自分の場合はどちらにも共感できました。
母親は子供を守るために必死です。
父親も子供を守るために必死です。
劇中では
母親=狂った人
父親=善人
というふうに描かれていると感じましたが、はっきりと表現されているわけではなく、「あなたはどう考えますか?」という投げかけのように感じました。
ここまで極端じゃなくても、同じような状況は存在すると思うんです。それを100%批判も肯定もできません。
この映画を見てどう感じるかはその人の価値観次第だと思います。
あの母親は狂ってると思うか、母親に共感できるか...
主演はアダムドライバーなので、おそらく主人公はジュードですが、ミーナについてどう考えるかがキーなんじゃないかなと思いました。
この母親目線で考えると、子供に人工的な害を与えたくない、それなのに邪魔をする夫から子供を守りたい。という思いがある点などから共感することが多くあります。
反対に父親目線で考えると、極端な子育てから子供を救わないと、子供が殺されてしまう。というくらい強い危機感を覚えると思うのです。
最終的にジュードは、自分の親に子供を預けるという行動に出ます。子供、そして妻を守るための最善策はこれくらいしかありませんでしたし、自分が同じ立場だったら同じ行動をとっていたかもしれません。
ジュードは本当に妻のミーナのことを愛しているので、子供も妻も傷つけない行動を必死で行っていました。ジュードは、子供を親に預けると、当然母親はミーナを奪い返そうとします。そういった姿を見て、ジュードの母は、ミーナに対して強い違和感と嫌悪感をいだき、孫を守るためにある衝撃の行動に出ます
その行動とは、ミーナを射殺すること。
彼女からすると、ミーナは孫に虐待し、息子であるジュードをないがしろにした最悪の人物。自分がこうしなければこの2人は沈没するという思いを持っていたのだと思います。
この展開を一通り見て、
「これで良かったのかな」というのが正直な感想でした。ミーナが殺されなかったら子供は死んでいたのだろうか。ジュードは母親の行動にどう思ったのか。この映画で悪い人はいたのだろうか。
このような疑問に関しては映画では説明されません。
制作陣が視聴者に考えてほしかったことはある意味ラストシーンに詰まっているのかなと思いました。
全員が正しいと思ったことをやっています。しかし明らかに方向が違うので、最悪の家族とも言えると思います。
ミーナは精神的な病気を持っていたのだろうか。
それとも経験から、極端な人間不信になっていたのか。
見ている間に、時代がいつの話かもわからなくなるような、生々しくリアルで、でも現実離れしているような映画でした。
ここまでストーリーに関して感想を述べましたが、落ち着いたシリアスなトーンの色の画面、それぞれのキャラクターづくり、音楽的な演出はものすごく良かったです。
2人の演技も絶品です。
決して楽しい映画ではないのですが、また見たいと思いますし、余韻を強く残す演出や、色々と考えてしまう深い作りが素晴らしかったです。
受賞&ノミネート多数の本作🏆✨『母の愛』を斬新な視点で描いた良作だとは思いまつ👌🏻✨物語はとてもハッピーに始まり、中盤から後半へかけてどんどん『病み展開』へ…(つД`)💦出産を機に破綻していく夫婦関係もあるのねー

描かれるのが産後うつ・児童虐待なので鑑賞後に鬱々とした気持ちになること必至⤵️なのであまりオススメしませんが観るならちょっぴり心構えが必至でつ✊🏻
ねねこ

ねねこの感想・評価

2.8
記録。

『閉鎖的な育児。』

何故、妻であり一児の母であるミナがあのように変わってしまったのか。
それを知る情報があまりにも少なく、「何故?」という疑問がずっと残り、不完全燃焼。
これは答えを出すという作品ではなさそうだ。

妊娠中、シカの夢を何度も見るようになるミナ。
心霊占いなんかに行くミナ。
ジャンルがサスペンスの割には情報が少ないな~と感じました。

・肉を食べさせない = シカ(動物的なもの)と関係があるのか?
・心霊占い = マインドコントロール的な何か?
・義母の家にシカの剥製がある = 夢と何か関係性があるのか?
など、考えを巡らせたがイマイチ。

終盤、ミナが「母親らしい穏やかな表情」をしていたのを観て、本当に「なんでこうなっちゃったの?」という疑問ばかりが残った。

そして、この作品も一番可哀想なのは子供だ。
ラストの結末、子供が大きくなり大人に成長していく中で「自分の母親はどんな人だったのか」、「自分の生い立ち」などを知る時、どんなにショックを受けるだろうかと、そのことを考えると胸が苦しくなった。

最初の中国料理店のトイレに閉じ込められて出会ったジュードとミナの、あのキラキラした笑顔が観終えてからだと、とても懐かしく感じる。
この映画でハマったポイント。冒頭のトイレでのワンシーンワンカット、やりとり最高です。そしてパーティー・シーンで流れるアイリーン・キャラの"フラッシュ・ダンス"、イントロからサビから全てが懐かしい。

劇中何度も使われるピアノ曲が綺麗で印象に残るなと思って調べてみたら、音楽ニコラ・ピオヴァーニだったんですね。フェリーニの後期やタヴィアーニ兄弟など巨匠の作品を担当した大ベテラン。毎回いい仕事しますねぇ。素敵です。
二人のトイレでの出会いのシーンの空気が素敵だからこそ、それから結婚出産を経て妻が変わっていく様がとてもサスペンスフル。

子育てってこうなる危険性を孕んだものだと勉強になった。育児に関する個人的な主義と、いわゆるノイローゼとかの病気の線引きは非常に曖昧なものなんだな。やはり祖父母の存在って大きいよなあ。

接写が多く、手持ちカメラのような撮り方が人物の実在感をリアルにしてた。

妻が見る鹿が出る夢、魚眼レンズのショット、夫の実家に沢山の鹿の剥製、菜食主義そして、タイトルのハングリーハーツの意味するところは‥。

結末は個人的には納得いくものではなかったけど、では他にどんな手段があったのだろうと考えてしまう。強制入院か、行政か、保護施設か。答えは一つではないはず。
息子を愛するあまり、環境や食べ物に異常に神経質になる妻とそれをできる限り理解しようとするアダムドライバー演じる夫の話。
エンディングは思いがけない感じで衝撃的だったけど、夕暮れの海に連れていくシーンは切なかった。図らずも妻も夫もそれぞれ同じように息子を海へ連れていく。
特にずっと引きこもっていた妻が息子を自分の意思で外へ、しかも海へ連れ出すのは一歩踏み出した感じがした。

"僕らの子には特別な力があって、念力で物を動かせるのか?"というセリフはカイロレンを彷彿とさせておもしろかった。
デイ

デイの感想・評価

4.3
イタリア映画なんですね…。
でも、映画の舞台はNY。

デンマークのスサンネピア監督の作品を彷彿させるような?
なんだか観ていて、とてもとても胸がギウギウと痛くて苦しくなる映画でした。

主演はアダムドライバー。
今まで、おちゃらけた役のアダムドライバーしか観たこと無くて…
この映画のアダムドライバーは本当に本当に良かったです!!

アダムドライバー演じるジュードとイタリア人女性のミナ。
出会いがとても面白かった☆

そして、2人のささやかな?結婚パーティーで流れる「フラッシュダンス」の"What a feelin♪"

これから幸せが始まろうとしていたのに…始まる筈だったのに。

大使館勤務のミナにとって、転勤が決まって…
ジュードとセックスしていて、"中には出さないで…"ってミナは言ったのに…
ミナは妊娠してしまう。

ミナにとっては望まない妊娠だったのでしょうね…。
ミナの精神状態が妊娠してから少しずつ崩れてゆく。

ビーガン(完全菜食主義)のミナにとって、妊婦でありながら、必要な栄養を取れていない。

そして、出産した後も…

ミナは仕事を失った分、生まれて来た息子に対しての愛情が異常なほどに傾いて行ったんだろうな…。

外の空気は汚いから赤ちゃんを外に連れてゆきたくない。
太陽にも当てたく無い。
手を洗ってからじゃないと触らないで。
携帯の電磁波が心配だから、携帯は玄関に置いて…。
しかもミナはビーガンなんだけれど、買って来た野菜は信用出来ないのか、自宅の屋上で家庭菜園して、その野菜のみを赤ちゃんに与える始末…。

どんどんどんどんミナの心が閉ざされてゆく。
人との付き合いもシャットダウン。
ミナは幼い頃に母を亡くしていて、父親に育てられたから…しかも父親とは疎遠…
だから、すがる親もいなかったのでしょうね…。

それでも、ジュードはミナに育児を任せっきりの夫という訳では無いのですよ。
というより、ミナの子育てに疑問を感じまくり。

赤ちゃんの熱が下がらなくて、病院に赤ちゃんを連れて行こうとしても
ミナは病院なんて赤ちゃんに"毒(抗生物質)"を与えるからダメ!!

結局、ジュードが無理矢理赤ちゃんを病院に連れてゆき、診察してもらったら、栄養失調による発熱だったんだけれど。

もはや拒食症のように痩せ細ってゆくミナ…
可愛い人だな…って思っていたのに、時たま老婆のように見える…
カメラアングルも魚眼レンズぽかったり、上から撮影していたり…ミナのガリガリ具合が怖ーい(>_<)!!

なんとか、赤ちゃんの栄養をつけてあげたくて、動物性タンパクのベビーフードをジュードが与えるのに、その栄養素を吸収しないオイルをミナが与えたり…。

日本で言う児童福祉施設みたいなところに相談しても、証拠は?書類は?ってなる…
誘拐になりますけど?裁判になりますよ…。
って、上手く行かないもんだなー。
アメリカなら、すぐに保護してくれると思ったのに。

そんな時間なんて無いんだ!!
これでは赤ちゃんが死んでしまう!!なんとかしなくては!!

映画を観ていて、私は、アダムドライバー演じるジュード目線になっていて
ミナが気づかないうちに早く赤ちゃんを連れ出して!!早く!!
って思ったり…。ドキドキ…。

結局、ジュードは自分の実家のママの家に赤ちゃんを連れてゆくことを決意するんだけど

狂気な顔をしたミナがやって来るんですよ?!実家に。
出たー!!あーあー!!
って…なったり…

でも、ミナの気持ちも分かって来て(T_T)
赤ちゃんとのお風呂のシーン。
赤ちゃんを海に連れてゆくシーン。
海のシーンなんて泣いてしまうよ(T_T)?
子供を愛しているからこそ…愛が深すぎるからこそ…心を壊して行ったんだろうな(T_T)。

ラストは私が予想もしなかったことでした…。
多分、この映画を観ていた大方の人は予想がついていたのでしょうけれど…。
伏線はあったけれど、こんな結末とは…。
本当にこうするしか無かったのかな?
とても難しい…。

最後に流れるイタリア語の曲。
ピアノの美しいメロディ…
エンドクレジットのイタリア映画っぽさ…。

アメリカが舞台でありながら、外国(イタリア)映画だと強く感じました。

とにかく、何よりもアダムドライバーが良かった!!
彼のファンの方は観て欲しいです!!


そして、赤ちゃんが可愛かったなー。目がクリクリ☆




きっと、日本でもこんな母親がたくさんいるんだろうな…
乳幼児虐待だと私は思ったけれど、母親自身はそんな意識は全く無いという…。

それと
狂信的な信仰って、宗教だけじゃ無いんですよね…。
ビーガンやら東洋医学やら。



行間あけます…








私が予想していたラストシーン
ジュードの目の前でミナが赤ちゃんと一緒に川に飛び込んで自殺をはかってしまう。
ジュードも川に飛び込んで2人を助けようとするが、赤ちゃんしか助からない…

みたいな?
pao

paoの感想・評価

3.3
30日の不倫で、目の周り真っ黒の人!笑
こういう非科学的なものに心酔するひとって、自分が正しいと思ってるから怖い。

2018 161
宅配レンタルで鑑賞、途中までなんでコレ借りたんだっけって考えたらアダム・ドライバーのカイロ・レンを払拭するために借りたんだ。
でも、意外とハマり役ってか全体的に良く出来ている映画。
少ない役者と工夫された映像、ストーリーもよく出来ていると思う。

ただ自然派に拘り過ぎて拗らせるのは無理だなーー!
そこまで思わせる 、アルバ・ロルヴェケルは凄いと思った。
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