kazマックスグローバーレッド

あやつり糸の世界のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)
3.7
1973年 西ドイツ制作、前編・後編2部構成 3時間半のSFテレビ映画。
未来社会を予測できるスーパーコンピューターの開発に取り組むサイバー未来研究所。精神に異常をきたしたフォルマー教授は変死、警備主任ラウゼは謎の消失。これら不可解な変死と失踪に疑問を持った研究主任シュティラーは次第に不快な電波音による頭痛に悩まされる。何かがおかしい…。

仮想現実に多重世界、1973年の時点で『マトリックス』『インセプション』を先駆けした作品を撮ってたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。原作の『模造世界』はもっと前に書かれてたんだから凄いね。

劇中で「アキレスは亀に一生追いつくことは出来ないゼノンのパラドックス(逆説)」の話が出てきて、思い出したのは北野武監督の『アキレスと亀』。北野映画でもこの説についてオープニングでアニメを使って説明していたけど何か小難しかった…。


70年代のハリウッド映画ではない欧州製SF作品は特撮やVFXにはあまり頼らず(単に技術が劣ってるだけという問題もあるが)、ロケ地や撮り方や編集で未来の世界を表現するからタルコフスキー作品ぽくって好きです。