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あやつり糸の世界のbennoのレビュー・感想・評価

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)
5.0
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品6作品目…。

ようやくっს 念願叶っての鑑賞〰︎¨̮♡︎

バーチャルリアリティを題材にした2部構成のSF作品です…(1部: 105分、2部: 107分)

サイバネティクス未来研究所のフォルマー教授によって開発されたスーパーコンピューター"シミュラクロン1"…それは人間そっくりの個体が生活できる仮想世界を作り上げます…。

ある日、フォルマー教授は謎の死を遂げ、シュティラーが後任に任命…。

フォルマー変死の現場に居合わせた保安主任ラウゼが重大な秘密をシュティラーに伝えようとしたその瞬間…彼は忽然と姿を消してしまいます…たった今そこに居たはずなのに…。

その上、周囲の誰もがラウゼという人物を知らない…と、彼の存在自体を否定…。

シュティラーは自らシミュラクロンを試すことに…。


今作においての現実と仮想の世界は階層的に上下関係(上: 現実、下: 仮想)で描かれ、いつもながらの少々イミフではありますが…そのことよりもむしろ本質的なことは…我々が現実だと思っているこの世界が実はさらに高次の存在によって管理統制された仮想世界だとしたら…つまり我々は見えない者によってあやつられたマリオネットかもしれない…ということ。

そして今作はいつも以上に撮影監督ミヒャエル・バルハウスの映像が際立ちます…至る所に鏡やガラス…シミュラクロンのある部屋の壁は鏡張りでまるで万華鏡のよう…

鏡やガラス越しに映る人物たちは仮想世界に存在するかの如く人工的で無機質に見えます…磨りガラスの靄で意識を失うアナログ感…超ローアングルの横スクロールやグルグル周るカメラワークも絶妙…。

とにかくシーンがいちいち全てカッコいい!! 謎のパーティーシーン…吊り輪のあるプール(多分監督の趣味…そう言えば、やたらと出てくる筋肉ムキムキマッチョ)、バーを囲む人物たち…研究所の女性たちはコテコテの厚化粧に意味もなく胸をはだけたドレス…ぜ〰︎んぶカッコいい!!

煙の立ち込めるナイトクラブ…舞台で"リリー・マルレーン"を歌う女性歌手…その他作中で使われるプレスリーの♬ Trouble やフリートウッド・マックの ♬ Albatross …不快な電子音まで…ぜ〰︎んぶカッコいい!!

そして並行して描かれる現実と仮想のラストシーンも見もの…私は…仮想世界のラストが好きⳣ₹♡

ファスビンダー…やっぱりカッコいい〰︎!!
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