まー

ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブのまーのレビュー・感想・評価

3.8
偶々CSでやってたんでミリしら状態で鑑賞。
これは、拾いものでした…!

① 川島ショウゴの世界線=物語
② 川島を演じる劇団ひとりの世界線=メタ
③ ①と②の世界を見ているゴッドたちの世界線=メタ
④ ①②③の視点すべてを見ている世界線=視聴者=我々

という構造が入れ子で同時進行していくんですが、
この映画の凄いところは④の視聴者の存在に①の人々が言及しはじめるところ。
つまり「①′(ダッシュ)」の世界があってそれは①に対して優位なんで、実質は②であり、したがって元々の②以下が一段ずつズレていく。

① 川島ショウゴの世界線=物語=メタ
② 川島の本体が生きる世界=真の物語
③ 川島を演じる劇団ひとりの世界線=メタ
④ ①と③の世界を見ているゴッドたちの世界線=メタ
⑤ ①③④の視点すべてを見ている世界線=視聴者=我々=メタ??

プラス、どうやら⑤の世界の人々(=我々)は②の世界と同一線上にいるらしいので、「⑤=②」となり、ループしてしまう。
ここで⑤の絶対的優位が揺さぶられるわけですよ!

これを監督は強く意識してやっている。
基本的には③の劇団ひとりのアドリブの上手さに笑う趣向で、普通でもちゃんと面白いんですよ。そこにこの構造的面白さに自覚的なプロットが来て、何だか得体の知れないものになってる。この監督凄い。
多分ノーチェックだと思うんで、シネフィルやSF好きにこそ観てほしい。
まー

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