ことぶき

ドローン・オブ・ウォーのことぶきのネタバレレビュー・内容・結末

ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

<ネタバレあり>
魅力的な題材を扱いながらも、うまく料理できなかった残念作。
ドローン操縦基地内、主人公たちが暮らす瀟洒な住宅地、その中間になる米国的資本主義の象徴たる歓楽街と三地点のみで物語は進行する。この設定の妙は良い。
安穏とした平時と送りながらも、任務は戦場そのもの。そのギャップが主人公の精神を蝕んでいくのを描く。
……のがキモだが、この主人公が元戦闘機乗りで、復帰を強く望んでいるという設定が(作劇上仕方ないとは言え)結果としてテーマを曖昧にしてしまっている。
モニター越しの殺しはNGで、現場で直接手を下すならオッケーなのか? この辺、主人公に潜む暴力性にまで踏み込めば傑作になりえたと思う。
同僚女性との謎のアバンチュールも余計。
救いを感じさせるエンディングもヌルく、もっと突き詰めてダークなオチにすればと思わずにはいられない。
ちなみに、戦場描写が省けるぶん、このネタは安く作れると思うので、今後同様の映画がワンサカ出てくると予想。その中で傑作快作が出てきて欲しいと切に願う。
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