敵と対峙するショットは必然的に勝新の背中がこちらを向くけど、そのムチムチした背後にいれば守られているような安心感があって、こちらも「半蔵さん、さすがっす!」みたいな感じで見ちゃう。ラストも背中だし、女将は脱ぎ捨てられた服を背中にかけようと追いかける。1作目の冒頭で拷問を自ら体験していたけど、本作では女性に化ける場面が2度あり、身を持って痛みを知るところが庶民の味方であり続ける所以。
増村に変わってトリッキーな演出が減った分、血が増えキャラクターの輪郭がくっきりして話も面白かった。カニエ&草野がイシシとノシシみたいだし、アウトロー刑事の手下として完璧。風呂場のブービートラップは1作目を完全に伏線にしてた。