アーモンドフィッシュ

わたしに会うまでの1600キロのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

3.7
船旅映画一本目。実は11月3日(つまり今日)の三連休は舞鶴から小樽までフェリーに乗って船旅を楽しんでいます。なにぶんフェリーはネットが一切つながらないため、ノートパソコンに映画を数本ダウンロードして、退屈しのぎに観ることにしました。最初に選んだのが「わたしに会うまでの1600キロ」です。なぜこれを選んだかというと女の一人旅がテーマだからですよ!それにTwitterのフォロワーさんの方で「ロードムービーに外れはなし」と仰ってたので、それもあって見ることにしました。

ストーリーは、シェリルという女性が過去のトラウマと向き合いながら、自分を見つめ直し、アメリカにある長距離自然歩道のパシフィック・クレスト・トレイル(メキシコ国境からカナダ国境まで)を歩き、人生を再評価するという重いテーマを扱っています。でも、その重さがリアルで、自分の内面と向き合うシーンはかなり心に響きました。だが、シェリルは旅慣れしていない、薬依存とセックス依存の普通の女性。テントの張り方も知らないし、荷物が多すぎて身動きが取れなくなる場面もあり、「この子、本当に大丈夫かな...」と思わせられます(笑)。携帯もインターネットもない時代の話なので、ただひたすら砂漠を歩きながら自分のことを思い返す。そこで彼女の過去、特に母の死や不幸な家庭環境が明かされ、薬やセックスへの依存が描かれます。音楽は、シェリルの感情の移り変わりをうまく表現してて、サイモン&ガーファンクルの「コンドルが飛んで行く」は特に心地よかった。この映画は、自分を見つめ直し、困難を乗り越える勇気を見つけることの大切さを教えてくれます。そして、旅の途中で「わたし」を見つけることの素晴らしさを感じさせてくれる映画でした。

こういう砂漠のように何もないところを歩くのは、てっきりクマやコヨーテみたいな野生動物や虫が脅威になるのかと思ったら、違うんですね。同じように旅をしてる男性なんですよ。もちろん良い男性がほとんどなのですが、中には「お姉ちゃんイイ体してるな」と下心で見てくる野郎もいるんです。それが怖かった…私には絶対無理だ(汗)途中、食料が無くなって、農家のおじさんに助けを求めた時も「俺の家に来い」と言ってくるシーンはマジで怖かった。でもその人は妻帯者ですっげーイイ人で安心した。

映画の初めはテントに虫が入るとパニックになるシェリルも、最後にはトカゲ程度では動じなくなり、成長を感じさせられました。

シェリルは最初は早く帰りたい、辞めたいとずっと思ってたのが笑いました。なぜやるんだと…(笑)でも以前「クレイジージャーニー」という番組で、リアカーを引きながら世界を旅する男性がいましたが、その人も旅の最中「早く帰りたいと思う」と思ってる言ってて、みんなこう思うのが普通なのかも

あまりにも現実離れしてる話なのでシェリルはてっきり架空の人物かと思ってたらエンディングロールで本人の写真が出てきて実在の人物と分かって、なおびっくり!私には絶対無理だ(汗)

さて、次は何を見るかな。まだまだ船旅は長いぞ!!