黒田隆憲

わたしに会うまでの1600キロの黒田隆憲のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

公開時に観て衝撃を受けて、また見直したいと思っているうちに5年くらい過ぎてしまったのだがようやく再見。時間軸をシャッフルする手法の巧みさ、それによる伏線の回収、音楽(ウィングスからポーティスヘッドまで!)の使い方、音の籠らせ方/歪ませ方など、何もかも好み過ぎて「これは俺の映画!」と心震えたのは公開時と全く変わらなかった。
出発時は失うものがあまりにも多過ぎて、その象徴としてトレッキング仲間から「モンスター」と渾名された彼女の巨大なバックパックが徐々に軽くなっていく様子も、「捨てられない」と常に持ち歩いていた愛読書を、読んだ端から火にくべていくまでに成長(?)していくシーンも全てが愛おしい。そして、なんといっても母親役のローラ・ダーンも素晴らしさ。「そこにある幸せを見つけて、絶やさない努力をすること。簡単じゃないけど、やってみる価値はあるわ」というセリフは体に刻んでおきたいほど。
黒田隆憲

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