とわも

わたしに会うまでの1600キロのとわものネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)という長いハイキングコースを歩きながら人生を振り返って次の人生へと歩み始めるまでの話。

主人公のシェリルはシングルマザーの家庭で育ち、その母親が死んで荒れて旦那とも別れてしまい自分を変えようとする。それでも、結論から言ってしまえばPCTを歩くことで「変わった」のではなく「かつての自分を取り戻した」のだろう。荒れていた時期に母親の幻から逃げていたが、旅の中で母の死と段々と向き合えて「また会いたい」と本来の自分の心からの声を発することができるようになった。

シェリルのPCTでの旅路は色んな人からの助けで成り立っていた。旅は、重すぎる人生の荷物を抱えて、うまく立つことのできない赤ちゃんのようなところからスタートしている。小さ過ぎた靴を捨て、重すぎる荷物を減らし、危機にも瀕しながら、シェリルは一人で歩ききった。

人生も旅もひとりで何とかするもんなんだろうが、どうあっても助けってのは必要だし、必要なところに恵まれてくるものなんだろう。何にせよシェリルが何かしら自分を取り戻した旅になって良かった。ラストの曲に少し感動してしまった。現実はこうはいかない(PCT歩いても、元々何でもなかった人は何でもないままだろう)だろうが……。
とわも

とわも