あさ

わたしに会うまでの1600キロのあさのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

若い女性が、アメリカ大陸西海岸縦断をする というあらすじを見て、「そういうのやってみたいし、参考に」と軽い気持ちで観た。

最初からハードでシリアスな雰囲気。お母さんをあまりに早く亡くした悲しみや、バランスを欠いて見失った自分と向き合う旅。自分と母との関係に重なる部分も多く、とても感情移入した。

苦境でも明るくて前向きなお母さんが「いつも誰かの奥さんで、母親で、自分の人生を操縦してこなかったの。もっと時間があると思ってた。これから、やっと色々やろうと思ったのに…」と泣いたこと
「あなたに私より教養をつけさせるのが目標だった。それが自分を傷つけるも思わずに」とこぼしたこと
主人公が大学で学んでいた内容
チャレンジ中に女性ゆえにちょくちょく遭遇する嫌な体験
など、フェミニズムを意識する場面が多い。女が一生懸命生きてたら、そりゃフェミニズムに繋がるよなって思った。当たり前なんだけど。フェミニズム、やっぱり特別なものじゃないよなって。
(逆に、女が真剣に生きて考えてたら、ぜんぶ「フェミニズム」になっちゃうのが変。生きてるだけのこと、男性は「マスキュリズム(男性差別撤廃)」にはすぐ繋がらなくないか?非対称性を改めて感じる)

ひたすら砂漠だった風景が、だんだん森になり、雪山になり、霧立ち込める場所になっていくのが、アメリカ大陸の広さを感じた。生き物がいろいろ出てきたり、命と向き合っていると感じるカットが多いのもよかった。
あさ

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