Oh

わたしに会うまでの1600キロのOhのレビュー・感想・評価

3.1
実在の女性シェリル・ストレイドの自伝を基にした映画。シェリルは「パシフィック・クレスト・トレイル」と呼ばれる険しい道を1600キロかけて歩き続ける旅に出る。まず、出発前の荷造り描写が印象的で、荷物をパンパンに詰め込んで、大きく膨らんだバックパックを「背負う」だけでも一苦労。これだけでも 準備万端で張り切ったものの、シェリルが旅に不慣れなことがよく分かる 面白いシーンでした。

さらに出発後、その長旅は生易しいものではないことが早速示されます。水や食料をキープする苦労や、気候の変化との戦い、旅先で出会う男性に対して警戒する様子も描かれ、これはシェリルに感情移入せずにはいられなかった。歩き疲れた足の爪が剥がれるカットでは、条件反射的に僕も自分の足の親指を抑えてしまいました(単純な観客)

旅の合間に元夫や母との思い出が回想で語られ、彼女がどんな人間だったのか徐々に紐解かれます。旅のなかで感じる苦労や痛みと、過去の苦悩がリンクしながらも、それでも彼女は確かに前へ前へと進む。現在と過去を交互に描く構成とその語り口はナイス。

旅自体が過酷なぶん、雄大な景色や休息スポットでのひと時、その先々で出会う人との語らうシーンは見ていて本当にホッとしますね。だんだん自分自身も一緒に旅をしているような感覚になる作品でした(単純な観客)
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