紅孔雀

高慢と偏見とゾンビの紅孔雀のレビュー・感想・評価

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)
3.0
文豪S.モームが世界の10大小説に選んだJ.オースティン『高慢と偏見』にゾンビが出てきたらどうなるか、という怪作です。同じくモームが選んだ『戦争と平和』や『カラマーゾフの兄弟』にゾンビが登場すれば“いかにもありそう”となるが、19世紀初頭、イギリス片田舎のジェントリ(地主階級)社会の結婚話にゾンビが侵入する、という付け合わせの妙がウマイ!と思いました。
なおこの映画には原作があり、そこそこベストセラーになったそうで、作者は好評に気を良くして、次はリンカーンがゾンビと絡む『ヴァンパイアハンター・リンカーン』も書いています(後に『リンカーン/秘密の書』として映画化)。
で、肝心の映画なんですが、当初はN.ポートマンもキャスティングされたほど力が入っていて、ディズニー映画『シンデレラ』で主役に抜擢されたL.ジェイムズがヒロインを演じるなど、結構、一流感があります。画面もキレイでセットも豪華ですし、ストーリーや台詞も原作(あ、オースティンの方です。ややこしい)を踏襲しているので、実に王道のパロディ映画だと思いました。
ただ、興行成績は制作費も稼げないほどの惨状だったらしく、そう見ると、確かに纏まってはいるが、一度も笑えない映画だったなぁ、と思い当たりました。
パロディ映画は、あまり上品でもいけないんでしょうねぇ。
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