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キャロルのにへのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.6
ピアノを弾くテレーズ(ルーニー・マーラ)の肩にキャロル(ケイト・ブランシェット)が手を置く、その一瞬、感情の揺らぎを捉えたシーンに鳥肌が立つ。すべてのカットが淡い美しさに埋め尽くされ、心を奪われる。
車の窓越しに、また、ガラス越しに映る表情の、淡く消え入りそうな美しさ。

ふたりの出会いのシーンからして「視線」を大きく意識させる演出は、あの素晴らしいラストで永遠へと昇華される。
「美しい」なんて言葉では物足りないが、ただそうとしか言いようがない、完璧な画。

原作も読んで、必ず再見しようと思う。
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