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家族を想うときのにへのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.0
『わたしは、ダニエル・ブレイク』では社会保障を受けたくても受けられない、機能不全に陥ったセーフティネットが前提としてあった。そして冒頭、「生活保護を受けるくらいなら飢えた方がマシ」との語りから始まる本作も、当然のように救いがない。
異なる人々を題材にしているようでも、ケンローチはいつも同じ人々を(それは同じドライバー仲間であり、病院にいた人々であり、主人公を襲った暴漢でもある)、現代社会の矛盾と共に描く。そして、人と人が重なる感情の美しさを間に見せるからこそ、息ができないほどに苦しい。
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