主演二人も衣装も映像も本当に綺麗。
お互いの目線でカメラを回してるようなゆっくりとした撮り方も叙事的で、出会いのシーンからドキドキして泣きそうになった。
テレーズの気持ちにドライブがかかって、もう引き返せなくなってからは下るのみなのに、それでもゆっくりゆっくり話が進んでいって身動きできなかった。
私にとっては女性同士の恋愛以上に、親権を奪われたくない母親としてのキャロルに感情移入する映画だったかもしれない。
ただ引っかかるのは男性の描写が冷淡で画一的すぎること。
どいつもこいつもシケシケだし、ボンクラすぎて興醒めしたのは確か。
男性を攻撃する材料としてのフェミニズムを少なくとも私は求めていないし、そこにもっとフラットな目線があってこそ、今このテーマを語る意義があったんじゃないかって思うから。