Ayako

キャロルのAyakoのネタバレレビュー・内容・結末

キャロル(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく映像が美しく、儚い映画。

冒頭からクレジットまでの一連の描写が美しく、しっとりとテレーズとキャロルの感情を丁寧に描き出しているのが印象的。

劇中にも”天から降ってきた”というセリフの通り、周囲の登場人物が霞み、下界のモノにみえてしまうほど主演のルーニー・マーラーとケイト・ブランシェットの二人が美しかった。人生の酸いも甘いもを噛み分けてきた中年女性キャロルと右も左も分からず、漸く少女の域を脱し、大人の女性へと変化を遂げる最中のフレッシュでみずみずしいテレーズの二人の異なる魅力が対照をなしていて、良いコントラストとなっていた。

生きるために本来の自分の嗜好を隠してきた女性の苦悩や、突如として本来の自分の有り様に目覚める戸惑い・覚醒する様を丁寧に描いているが、それ以上に、お互いを思い合い、惹かれ合う年齢も身分も生い立ちも全く異なる二人が出会い、心を通わせる様、大都会NYで自分の足でしっかりと立ち、生きていく様は圧巻であった。

今年1本目ながら、早くもベストを感じさせる一本。
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