このレビューはネタバレを含みます
想像していた内容よりもかなり現実的だった。
「あなたは不思議な人、天から落ちてきたみたい」……とんでもない口説き文句!
初めてキャロルとハージの口論の場に居合わせたテレーズが帰りに泣いてたのは、「あの方と初めて素敵な時間を過ごせると思っていたのに台無しになってしまった、でも、あの方のせいでも私のせいでもない」という苦しさで泣いているのかな?と想像したんだけど、終盤でアビーに似た言い回しの台詞があって驚いた。
1950年代という時代背景を考えて納得してしまう残酷なエピソードがたくさんあったけど、それらがそんなに前のことのようにも感じられず、中盤からはずっと心が重かった。
初めて出会ったときと同じようにお互いの目を見つめ合って、キャロルは優しく微笑む。その後の2人の関係性が明るくなるように感じられるラストだったけど、それまでに乗り越えた過程があまりに重く苦しいものだったから、幕を閉じた後も長い余韻があった。
ケイト・ブランシェット、セクシーサンキュー