CHEBUNBUN

ディア・ホワイト・ピープルのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

2.5
【ブラックフェイス問題がなぜヤバイのか】
ダウンタウンの笑ってはいけないシリーズで浜田雅功がブラックフェイスしたことにより、Twitterが大炎上。海外メディアにまで取り上げられ、2020年東京五輪を開催する我が国のモラルが下がりに下がっている。

そんな最中、Twitterで本作を紹介している方がいた。アメリカの大学で実際に起きたブラックフェイス祭とその炎上を扱った映画だ。どうやらNetflixがドラマ版も作っているようだが、まずは映画の方を観てみた。

作品としては微妙だと言わずにはいられない。恐らく、テレビドラマ版を100分に圧縮しただけのような脚本だろう。群像劇の醍醐味である物語と物語の交差や人と人の交差が希薄で、パッチワーク的にエピソードを貼り付けただけというイメージがある。

だから、ダサい『ドゥ・ザ・ライト・シング』だ。

しかし、本作は日本人こそ観なくてはいけない作品だ。確かに、海外旅行も留学もしたことがなければ、外国人とも話したことのない人にとって海外は遠い存在かもしれない。

他国のタブーやマナーを日本に持ち込むなと怒りに震えるかもしれない。しかしながら、東京五輪で世界各国から沢山の人が集まる中でブラックフェイスをやったらどうなるか。本作に映るアメリカ人はめちゃくちゃ面倒くさい連中だ。地雷原は踏まない方が得策だと分かるだろう。

つまりだ、不特定多数が見るメディアにおいて、想定されるタブーという名の地雷は避けた方が良いことを本作は教えてくれる。今や、SNSで互いが互いのことを気にしてしまう時代。だからこそ、見たくなければ見なければ良いは時代遅れと言えよう。
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