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キングスマンのkitoのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.0
とても面白く、二時間があっという間だった。

英国を舞台にしたスパイものでストーリーもやってることも特に真新しい驚きはなく、それこそ半世紀以上昔の007とまんま同じ。違いと言えば主人公が "そんなに" プレイボーイではないということぐらい。

ただ、微エロはあって特にラストのスウェーデン王女がらみは爆笑もの。首相のくだりと言いスウェーデンから抗議が出ないのか不思議なくらい。大人なのかなぁ、知らんけど。

世界平和を守る独立スパイ機関 "キングスマン" のベテランメンバーをコリン・ファース、新メンバーとなる若手をタロン・エガートンが演じる。吃音のジョージ6世を演じた「英国王のスピーチ」が圧巻だったコリン・ファースは、本作でも "英国紳士風スパイ" という役柄がピッタリ。

この手の物語のキモのひとつ、世界制覇を狙う悪の親玉をサミュエル・L・ジャクソンが良い感じに憎たらしく演じている。人類は地球にとって害しか及ぼさないウィスルだというガイア理論っぽい理屈にはけっこう普段から共感しているので、チップを埋め込む勧誘には乗らないようにしなければ。

悪玉の補佐ソフィア・プテラはドクター中松のフライングシューズ(ピョンピョンシューズ)がめちゃ楽しそうだし、コリン・ファースの補佐役を演じるマーク・ストロングはけっこうよく見るバイプレイヤーで本作でも雰囲気がハマっている。あまり出番は多くないがマイケル・ケインもいかにもという役柄。脇役までそれぞれ味があって擦り倒された展開でもとにかく楽しい。

真新しさ皆無のストーリーを補って余りあるのが最新技術によるスタイリッシュかつユニークな映像表現。とりわけクライマックスの "頭がポン!" はどうしたって「スキャナーズ」のそれを思い出してしまう世代。しかし、本作のソレはもう何十倍もスケールアップしていて、しかも内容と真逆の美麗さ、「威風堂々」の選曲もピッタリで、もはやスクリーセーバーにしたいくらい。

恐らく「シリーズモノは第一作がベスト」という呪縛通りな気もするが、第二作、第三作もAmazonで観られる現在、一気見したい。
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