岩井俊二と黒澤明とタランティーノは作品によってかなり波があると思っているんだけど、これは僕の好きなほうのタランティーノだった。
ただ「ここ1秒で済ませられたな…」とか「今の4カット全部いらないな…」とかタランティーノらしい冗長さがいつもより気になった。醍醐味なんだけど。パルプフィクションなんかと違って景色が雪だけだから代わり映えしなくてやや苦痛だったのだと思う。
相変わらずのよく思いつくなあという残酷で邪悪で下品なシチュエーション、急に無理やり露骨にミステリの流れに乗せてくる近距離パワー型のシナリオ、細面の現代的な若いキレイな顔が一切見られないキャスティング。
タランティーノを観たなあという満足感がしっかり得られた。
グロがあまり得意でないので、監督によってのグロの見せかたの違いって映画を観る上で注意している尺度のひとつなんだけど、タランティーノはやっぱり合う。断面撮らないから。
あと食事シーンが汚いと無条件で気分が下がるのでその分マイナスだった。
