爆裂BOX

シー・オブ・ザ・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

シー・オブ・ザ・デッド(2013年製作の映画)
3.7
「デス・マングローヴ ゾンビ沼」や「サタニック・ビースト 禁断の黒魔術」のロドリゴ・アラガォン監督作のゾンビ・スプラッターです。
ストーリーは何故か海の中でゾンビ感染が発生、ゾンビ化した魚に襲われたり食べた者はゾンビ化し海辺の村は地獄と化す、という物です。
中盤までは各登場人物の紹介やゾンビに噛まれた漁師が徐々に変貌していく様が描かれます。「デス・マングローヴ」の村並みにここでの生活や環境も中々に不潔です。主人公?の店で働く使用人アウビノが樽から取り出す肉も脂か何なのかわからない液体でギトギトだし。最初に半漁人ゾンビに襲われたベテラン漁師とアウビノが恋するその妻と二人の子供、アウビノと彼が住み込みで働く店とオープンしたばかりの娼館と移り変わって描かれて誰が主人公か分からなくなります。一応アウビノがそうらしいけど、中盤全く出てこなくなるし。
ゾンビになった漁師によって娼館に集まった客達に感染が広まりゾンビが大発生するクライマックスではアラガォン監督の本領発揮とばかりに血みどろシーンが連発します。特にオカマの娼館の主人がガドリングガンをゾンビに乱射するシーンは大きな見所の一つですね。多分「ブレインデッド」の芝刈り機大虐殺を意識したんでしょうね。脱出しようとした女歌手のボディガードが誤射されちゃう所は笑っちゃいました。
ゾンビは汁気たっぷりのグチャグチャした汚いゾンビです。噛まれた漁師の傷口が子供の指に噛みついたり、首を切り落とされて倒されたゾンビの裂けた腹が口みたいになって周囲の人に血を振りかけまくる所はゾンビというより「物体X」的なクリーチャーに感じましたね。冒頭にはチュパカブラの様な半漁人ゾンビが出ますし、感染源が海だからかアカエイゾンビも登場しますし、ラストに出てくる巨大な○○○ゾンビには呆然としました。アレはインパクト抜群ですね。
登場人物も個性あふれるキャラばかりですね。個人的には主人公?の働いてる店の主人と常連の飲んだくれの老人とオカマが良かったですね。店の主人は主人公に小うるさく言うジジイかと思ったら「部屋から出ないとだめだぞ。クラブで遊んで来い」とお金くれたり結構いい人でしたね(笑)変なオッサンが主人公の部屋に入ろうとしたら「勝手に入っちゃだめだ」と止めてたし。娼館の主人のオカマのキレっぷりも良かったです。「苦労してクラブ開いたのに一日でパーよ!!」と叫ぶ姿には同情しました(笑)
主人公とヒロイン役は「デス・マングローヴ」と同じ人かな?後、ヒロインの娘役は「サタニック・ビースト」のヒロインか。
予測がつかない展開も観ていて目が離せません。いきなり現れる主人公の持ってる魔術書を狙う男やヒロインの死に主人公が取る行動や、最後の方は主人公変わってますし。終盤は悪魔もチラリと出てきたりとヒロイン死んでから主人公も物語も暴走始めた感じがありましたね。
首チョンパに斧で顔破損といったゴアシーンも手作り感溢れる特殊メイクとマペットで表現されていて嬉しいですね。血糊のどろりとした表現と飛び出し方に監督の並々ならぬこだわりを感じます。
最後主人公はどこに行ったのかな?後、前作にもありましたがブラジルには怪我には焼いたレモンが効くという民間療法でもあるんですかね?
ゾンビ映画初心者の方等にはお勧めできないですが、ゾンビ映画マニアの方にはオススメの作品となっています。