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カルマのtakのレビュー・感想・評価

カルマ(2002年製作の映画)
2.8
本作でレスリー・チャンが演ずるのは、幽霊を信じない現実主義者の精神科医。幽霊の出現に悩むカリーナ・ラムを救うのが前半のお話。後半はそんなレスリー・チャンが心霊現象を体験、救う側と救われる側が逆転する二段構えの脚本。起伏に富んだ展開で飽きさせることはない。時折挿入されるイメージショットがただの回想シーンだと信じた人は裏切られる仕掛けも用意されていて、ホラー嫌いの僕もしっかり楽しめた。

別にパロディを狙ってるわけではないだろうが、近年のジャパン・ホラーや他の映画からの引用・影響とみられる場面が多い。映画ファンならそれらを次々に関連づけして楽しめることだろう。例えば後半出てくる女子中学生の霊は動きまで貞子そのもの。ジャパン・ホラー好きは吹き出しちゃうかも。「私を助けて!(救我!)」とメールかチャットかにうち続けて文字が並ぶ場面は、ちょっと「シャイニング」を思わせたりするし、クライマックスの女子中学生の霊が群衆で主人公を追いつめるなんて、もう「ゾンビ」!。

怖がらせ方はオーソドックス。前半は鏡やTV画面を使ったり、水道管から聞こえる声、電気チカチカ。後半は霊が登場するけれど、貞子じゃん!と一度思ったら怖さは半減。僕が一番ビビったのは、レスリー・チャンがおばさんにビンで殴られる場面、本当に腰が浮きました(笑)。ストーリーの根底にラブストーリーがあるから、ホラー苦手な人もオッケーではないだろか?。心の裏側を探るうちに恋に発展していくなんてヒッチコックの「白い恐怖」みたいじゃない。不二家のミルキーを「薬、処方しました。副作用に注意。」って渡すレスリー・チャン、ここなんかスマートな恋愛映画みたい。世の男性ども、この手は使える。
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