ヴぇる

君が生きた証のヴぇるのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.1
視聴後はまずまずの作品だと感じるが何故かその後も心の内に残り何度も何度も鑑賞してしまう不思議な作品だ。お陰でスコアが度々上がってしまう。
賞レースでは一切触れられることはなく、題材としては素晴らしい筈だが、大きなヒットはかませなかった、隠れた名作という扱いになってしまった作品だろう。

物語自体はあらすじでほとんどを把握することが出来るがディテールがどうなるか非常に興味をそそる脚本だ。
ショッキングなスタートからストーリーは始まるため今作に入り込むのは容易で、歌自体もイける程素晴らしいという訳ではないが、気持ちが高ぶる曲もあり、退屈になることはない。

終盤に入る前に衝撃的な事実が判明するため、脚本は素晴らしいと言わざるを得ない。銃乱射テロという大きな題材に対して抱いたイメージをうまく利用したトリックだ。驚きである。

正直オスカーでいくつか取り上げられてもおかしくは無いと思っただけに疑問が残る。
理由を考えるに、デリケート過ぎる今作への題材に対して深く掘り下げておらず、フィクション感が強すぎるのが原因かと邪推した。
確かにディテールは浅いかもしれない。が私には言い方は悪いが雰囲気をうまく使いながら綺麗にまとめて居るようにも感じる。

個人的には好きな傾向の作品だが、人によって今作品の評価は別れるかもしれない。
ヴぇる

ヴぇる