TV映画なので予算は推して知るべしだが、最低限のクオリティを保ったサメ襲撃シーンは悪くない。ジョーズの元ネタとされるニュージャージーサメ襲撃事件を描いた筋立ては、派手さには欠けるものの、ドキュメンタリータッチな質感がリアルな恐怖を煽る。創意工夫を凝らしたとんでもサメ映画が蔓延している今だからこそ、奇抜なアイデアに頼らないこういったシンプルな作風が再評価されて然るべきではないだろうか。
監督のジャック・ショルダーは"ヒドゥン"や"エルム街の悪夢2 フレディの復讐"でもよく知られるが、そのフィルモグラフィーは本作を最後に途切れている。引退してしまったのだろうか。