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駆込み女と駆出し男のmaiのレビュー・感想・評価

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)
3.4
役者の演技力が素晴らしすぎる(素敵すぎる)作品です。

話は一種のオムニバスのような形式で進んでいき、正直あっち行きこっち行き…で、もう少し話を絞って深掘りした方が好みではあるのですが、内容的には重くなりすぎず、でも心に触れるポイントはしっかりと抑えた良い映画だったと思います。
主役はもちろん大泉洋と戸田恵梨香で、おふたりはやっぱり演技が上手いなぁと思いました。じょごの無邪気さは暗い話が多い中で救いの1つになりますし、無邪気さに反して腕っぷしが強く、他人思いなところは男らしくもあってカッコよかったです。
また大泉洋のぐでっと感は、まさに!という感じで、しっかりしなよ〜と思いつつも奥深いことをズバッと言い切ってしまうので、観ていてスカッとしました。
そして、満島ひかり演じるお吟…もう艶やかで艶やかで美しかったです。口調も軽いのに、その奥に秘めた想いは本物で、彼女のラストシーンでじょごのことを妹と呼んだのに涙が出ました。

喋り言葉は聞き慣れないものもあって、全ては理解出来なかったのですが、勢いと時々入る軽口が最高に効いていて面白かったです。
コメディかと思って観たのですが、ストーリーは淡々と進むし、出てくる話はどれもそこそこ重たいものばかり…ですが、ひとりひとりのキャラクターが魅力的な上、話がいちいちコミカル(他にいいようがなくて…褒めてます)で、引き込まれました。
あとは主役から脇役から、もう演技派ばかりで…それがこの映画の最大の魅力になっていると思います。
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