このレビューはネタバレを含みます
@新宿武蔵野館
『ジェリー』とか『オール・イズ・ロスト』みたいなハードコアな映画を想像していたら、全然違った。
わりと頻繁に人が出てくる。犬1匹とラクダ4頭を連れているのもあるし、女性が主人公というのも関係してると思うけど、自分探しというか自意識的なものはほとんど描かれない。
どうやって砂漠2700キロを歩き抜くかということを現実的に、精神的な疲弊とかも含めて、かなり抑えた演出がされていて、それがよかった。
その抑えた演出でも飽きさせないのは、ミア・ワシコウスカの存在感に拠るところが大きい。むしろ抑えた演出が、ミアの魅力を引き立てていたような気がする。あとエンドクレジットで本人写真が出てたけど、本人にそっくり。
この作品はオーストラリア映画なんだけど、ハリウッドで撮られなくてよかったと思う。ハリウッドで撮られていたら、同じような題材で実話原作の『127時間』みたいなハデな演出になっていたと思う(『127時間』が嫌いなわけではないけど)。