荒野の狼

リトル・アクシデント 闇に埋もれた真実の荒野の狼のレビュー・感想・評価

3.9
自(みず)らの苦悩を告白し現実と向き合う事を決意した者と、事実を知る事によって悲しい現実に向き合わなければならなくなった者のお話である。どちらもその前途は察するに余りある。それぞれその発端は、ささいなアクシデントであって、その責任は、当人達にはほとんどないにもかかわらず、これから背負う事になる、少年の「自責」母の「悲嘆」青年の「苦闘」は、おそらく並大抵のものではないからだ。そこは殊更(ことさら)描かずに、エンディング。決して悪くないあなたにだって起こりうる、降って湧くような「災難」なのだから、些細(ささい)であるが故に、想像して欲しいという事なのだろう。
無理なく技巧的にはならぬよう、三者を上手く絡ませた脚本は、評価に値する。
荒野の狼

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