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ハッピーボイス・キラーのカネコのレビュー・感想・評価

ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)
3.4
確実に依然これを何処かで観たことがあったんだけどタイトル思い出せず。
女の子の生首が出てくるのでたぶん同時期に観たデモンズ'95と混同してたけどこれでした。

原題はシンプルに”THE VOICES”。
ハッピーもキラーも無い。
ジャケットのポップな感じに釣られて観ると結構痛い目みる系。

ミルトンバスタブ工場の出荷担当として働く青年ジェリー。
ちょっとズレてるけど明るくて純朴な好青年に見える彼は実は幼少期に精神を病んだ母親を殺していて今もカウンセリングを受けている。
そんな彼が経理担当のフィオナと社内パーティの準備で出会い一目惚れ🩷
何か起こらない訳が無い。

おそらくジェリーは統合失調症。
統失の人には本当にあんな風にテレビとかで自分の悪口を言ってるように聞こえたりするらしい。
犬のボスコと猫のMr.ウィスカーズの会話が楽しい🐕‍🦺🐈もちろん全部彼の心の声。
全部ライアンレイノルズが声当ててるよね?と思って確認したらやっぱりそうだった。
ボスコが理想の世界、Mr.ウィスカーズが現実を客観視した心の声。

フィオナを殺す時の表情がけっこう無で怖い。幼少期に苦しむ母親を「何とかしてあげたい」と殺した経験からかフィオナの事も苦しみから救ってあげたかったんだよね。ジェリーはある意味すごくピュア。それでいて現実の厳しさも知ってるから(Mr.ウィスカーズの声🐈)辛いんだよね。

現実では腐りかけた生首でもフィオナもリサもジェリーにハッピーに話しかけてくれる。

そんなジェリーが最後に選んだ世界はピュアホワイトな空間。
そこにはスーツで決めたジェリーとカラフルなドレスのフィオナとリサそしてイエス。みんなに爽やかに殺してごめんねと言うジェリーはイエスが運転するフォークリフトで消えていく。
ジェリーは現実の世界では生きていけずに夢の中で楽しく生きる事を選んだ。
皆んなで歌ったりしてハッピーなエンディングだけどすごく切なかった。
先にリサと上手く行ってたら?
とか思ってしまったけどやっぱり上手くはいかなかっただろうな。薬も飲めて無かったみたいだし。

舞台はアメリカの設定だけど撮影は全編ドイツらしく森の鬱々とした感じとかがポップな工場やチャイニーズレストランの雰囲気と対照的で良かった。

タッパーに詰められたフィオナがチラチラ体の部位が確認できてけっこうホラー🩸

女友達の雑な処理にはちょっと笑ってしまった。
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