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湖の見知らぬ男のnyakoのレビュー・感想・評価

湖の見知らぬ男(2013年製作の映画)
4.5
郊外の湖のほとりはハッテン場となっており、男だらけのほぼヌーディストビーチ。
フランクはそこで見かけたミシェルという男に惹かれるが、彼が恋人といたため言葉を交わしただけでそれ以上近付くことが出来なかった。
その後、宵闇の中の森から湖をひとり眺めていたフランクは、殺人を偶然見てしまう!
むんむんな不思議なムードと濃密なサスペンス色に支配された映画!

モザイク無しヌードの明け透けな行為が序盤からガンガンあってセクシャルな画面密度がとても濃いんだけど、不思議なものでそれもだんだん見慣れてくる。。
デバガメガン見。

そして終盤一気に濃くなるサスペンス色に息を呑む。
風のざわめき、鳥のさえずり、薄暗闇に近づく雲…この美しい情景描写にはとてもぞわぞわさせられるし、森というワンシチュがまた、永遠に続くような閉塞感を感じさせてくれる要因なのかも。

危険な男と知りつつもミシェルの虜になるフランク。
事件を捜査する刑事。
そしてビーチで知り合った気のおけない友人アラン。

登場人物の中ではフランクと友人関係になるアランも特異な人に見える。
彼はナンパもせず、ただただビーチで時間を過ごすだけ。意図が読めない謎めいた人…。
休暇をのんびり過ごしたいと言うアランだけど、このビーチにあえて来てた彼の願いは何だったんだろう?
ほんとはフランクを手に入れたいと思っていたのか?
それともそもそも彼は同性愛者だったのか?
もやっとしてしまったんだけど…
彼が最終的にとった行動でただ思ったのが、彼もまたとても孤独な人だったのではないかって。
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