ヤックル

名もなき塀の中の王のヤックルのレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
4.0
先に公開された『ベルファスト71』で強烈な印象を残してくれたジャック・オコンネルの主演作ってことと、映画としてはこっちのほうが早いってことくらいの情報しかなく、映画のタイトル的に理不尽極まりない暴力のオンパレードな映画が観れるんじゃないかなぁ程度で観にいったら、そういうのが主題の映画じゃなくて暴力以外の生きる術を知らなかった少年の成長譚でした。

予想していた映画とはちょっと違っていましたが、この映画のテーマは個人的に大好きなテーマです。
にも関わらず気持ちを調整することが出来ないまま終わってしまい呆気に取られてしまいました。
と言うのも、映画を観る前に予想していたようなことが起こる雰囲気を感じさせる殺気に包まれていたり、刑務所の管理者の悪意が満ち満ちていたりしたから。
それに暴力が描かれるとなると、"これ、本当に死んでしまうんじゃないのか?"って思うくらい容赦なく描かれるし。
あとは親父が息子以上にエキセントリックで、"お前少し落ち着け!"と言いたくなったりならなかったり(苦笑)

主人公が精神的に成長していく中心の場所となるカウンセリングシーンは、回を重ねるごとに主人公の言動がどんどん変化していく過程がすごく良かったと思います。
ここを中心に観ていくと、まただいぶ違う感想が出てくるんだろうなぁと思いつつ、二度目は行けてないです。(公開館数もすごく少ないし…。)
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