Lewis

名もなき塀の中の王のLewisのレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
3.8
塀の中で再会する父子の暴力的で不器用な愛を描く。

建物と部屋、庭と格子、回転ドア。無機質な環境をやたらみせるような撮り方が気になったので調べてみると、どうやらすでに閉鎖されているが実在した刑務所がロケ地に使われたらしい。見たこともない世界なのに、なんだかリアリティを感じることができたのは、その効果か。

BGMも無いため淡々と塀の中の人たちを映しているようにみえる。そこはまるで治外法権で、いくつかの勢力とその力の支配関係があり、逆らい均衡を崩せば命に関わる。
そう、刑務所の中で殺人がさして珍しくもなくおきるらしいのだ。それがあるから、父子の交流が出てくるわけだが。

暴力シーンの連続の中に、主人公の成長や父子の愛情が垣間見えるので、それが希望だった。
こんな風に親子を描くこともできるのか、と目からウロコでした。
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