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博士と彼女のセオリーのkajiのネタバレレビュー・内容・結末

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

全体としては、まあまあの出来でしたかね。
確かにエディ・レッドメインのホーキング博士はその病気に蝕まれていく様み見事に演じきっており、その役者根性はアカデミー主演男優賞に相応しいものだった。ただストーリーとしてはホーキング博士自身の内面よりも、結婚相手のジェーンの方が描写が濃く、どちらかといえばフェリシティ・ジョーンズの映画と感じたのも確かである。実際フェリシティ・ジョーンズはとても綺麗で様々な顔や髪型、衣装で彼女を見られるのでファンだったら是非見た方がいい。
ただ物語の起伏やピークはホーキング博士が倒れてから結婚、そして博士号を取り、周りに認められるという比較的序盤の段階で来ているので、その後が冗長で長く感じたのも事実だ。
そしてそこからはホーキング博士が蝕まれながらも名声を得ていくのとジェーンの支えが描かれるのだが似たことの繰り返し見えてしまう可能性もある。
またそれぞれ新たなパートナーを見つけていくのだが、仕方ないにしても前半の二人の姿を見ている分、少し気持ち悪い感もある。ただその中でも二人の愛は確かにそこにあって、それが別れのシーンとクライマックスで強く感じられたのは感動した。
話は変わるが映像に関してはとても綺麗で、少しボヤけた色褪せた雰囲気は一時代前の英国の良さのようなものが滲み出ていてとても暖かい。
また音楽も所々で印象的なピアノの音色が流れてきて、ハッとさせられる。ワーグナーの曲を聞いてみたいものである。
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