ながお

博士と彼女のセオリーのながおのネタバレレビュー・内容・結末

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

開始15分で最初のキス。結ばれるまでが早過ぎます。
仕方ないことですが尺の都合で序盤のテンポが速く、
お互いがお互いでないといけない理由がなかなか見えて来ません。

ただ、難病に抗うホーキング博士や周囲の人の大変さを
あまり押し付けがましくない形で描いているのが良かったです。

声を失い、導入することになったスペリングボード。
これからの会話は全てアルファベット1文字ずつ
ちまちまと、書き起こして行かないといけない...
妻ジェーンはあそこで折れちゃったのかなと感じました。
なのに看護師エレインは、それを平気で使いこなしてしまいます。

そして通話デバイスがアメリカ人の声(発音)なのが不満だと
指摘したのは、ジェーンだけでした。よくよく考えてみれば、
これからはこの機械の声が夫の声になるのだから当然です。

本来コミュニケーションを取れるようにしてくれるはずの
この2つのアイテムが、逆に2人の溝を深くしてしまうものとして
描かれているのがなんとも皮肉でつらかったです。

しかし前提として、本作品はジェーンの書いた本が原作になりますので
ホーキング博士側からの視点は欠けているものとして鑑賞する必要があります。

もしこの作品をご覧になって、「2人にはいつまでも一緒にいて欲しかった」
と思った方には『ビューティフル・マインド』という作品をおすすめします。
ながお

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