いとJ

ストレイト・アウタ・コンプトンのいとJのレビュー・感想・評価

5.0
“Niggaz Wit Attitudes”、主張する黒人たち。

黒人やマイノリティの権利が尊重されるようになってきたのはまだまだつい最近のこと。N.W.A.が活動していた80年代後半から90年代は、警察が目についた黒人を強制的に所持品検査したり、それで気に入らなかったら連行したりしていた。
だから「Fuck Tha Police」で彼らが歌っているのは反社会的な、ギャング的な犯行声明ではなく、コンプトンの、アメリカの現実そのものなのである。

今年の1月のアカデミー授賞式では『ムーンライト』が作品賞を受賞した。N.W.A.の存在なしには、もしかするとありえなかったことかもしれない。彼らの主張には過激な面ももちろんあったが、言葉と音楽という非暴力の表現手段によって世界を変えようとしてきた彼らにリスペクトを贈る。
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