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ギリシャに消えた嘘のmiwaのネタバレレビュー・内容・結末

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

1962年というのが私はいまいちピンと来ないので、時代背景は全くわかりません。
そしてギリシャについてもあまり知識がないです。

映画のあらすじ紹介や予備知識もなしで観始めたので、ヴィゴ扮するチェスターが詐欺師と知らずに見ました
ライダルの視線に敏感だったのは だからかぁ と思いました
探偵が来た時は普通にビビったし「何なに?!」と思った...

コレット役のキルスティン・ダンストの雰囲気も絶妙
所謂典型的な美人って感じではなくて無邪気さを兼ね備えつつ色っぽくて...
癒し的な魅力なのかな
スタイル抜群だし

主要キャスト3人の心理の動きに飽きない作品です。
時間も長すぎず短すぎずで、終わったあとすぐもう一度観たいと思いました。
ひとりひとりの表情がとてもよい。魅力的な演技が楽しめました。
繰り返し見ると新たな発見できそうで。

チェスターは最初本当に魅力的な余裕のある男性だったのに、だんだん...
なんというか、他人を騙す人って心の底から他人を信用するのは難しいんでしょうね。
嫉妬とか可愛く思っちゃうけど、実際コレットからしたらどうだったのか...

でもチェスター間違いなくコレットのこと愛してた。守りたかったんだろうし...守りきる強さが足りなかったのは切ない...

すっごく読むのが難しかったのはライダル
ライダルって、本当にコレットが好きだったのかな🤔
チェスターと最近亡くした父親とを重ねているような描写から始まったから...
葬儀にも出なかったライダルは父親との関係に悩んでいたというか、なんかコンプレックスを抱えたまま父がこの世を去って...

最初からチェスターがライダルはコレットに気があると思って敵視するようなアクションが多くて分かりづらいというかそう見えてしまうというか💦

ライダル的には私はギリギリきちんと線引きをしていたように思った
チェスターの疑う心がそう見せたのでは?って...
コレットがどうだったかはわからないけど...
ライダルが入ってくるまでは、きっとヨーロッパ旅行でチェスターとコレットふたりだけの世界だったんだよね...
ふたりだけの秘密を抱えながら...
それにコレット、チェスターのこと理解はしてたと思うけどな...
まぁでも、だんだん辛い目にあわされ、転落してゆく夫の姿とは対照的に頼りになって支えてくれる若い男性が居たら気も移るのかなぁ...最初から興味は持ってたし
ライダルの瞳魅力あるもんな
そして語学堪能で博識
お話するの楽しい人だと思う
そういう点でチェスターが少し自信をなくしてしまったのが残念だったなぁ...
でも、じゃあコレットはチェスターのお金に惚れてたわけ?出会いはそういう華やかさに魅力感じたんだろうけど...
詐欺をしてたことも知っていて「彼は私の夫だから」と言ってたし、運命共同体でどうすることもできないってのもあったのかな...(本来チェスターの運命共同体でこの状況から逃げられなくて精神的に追い詰められたのはコレットなのに、チェスターはライダルが通報しないように"俺たちは運命共同体"って脅してるし...なんだかそれも...)
さすがに殺人は...もうコレットもお手上げだ...きっと愛する夫がどんどん堕ちてゆくのを受け止めきる余裕もなかっただろうし
布団を掛けるシーンがお互いにあって、思いやりを感じたけど🥺

チェスターが目覚めて、ライダルの部屋にコレット探しに行ったら部屋空っぽだったとこも生々しかったなぁ
ベッドとか確認してたし...
綺麗だったよね?暗くてわかりづらかったけど...
ライダルはかなりチェスターに気をつかってたし、コレットの思わせぶりな態度もわかっていてそれでも誠実に思えたけど...

最後ライダルが煽ったのは自白させたかったからで、船の上でもそうだったけど、「コレット」が地雷なのわかっててわざと踏みに行ってるんだよね...?
そういうところ見ると、ライダルは"コレット"自身より、"チェスターの大切な妻コレット"だからそういうことするの...?って
本当は何も無かったと思うなぁ...どうなの?
本当に惚れてたらコレットの死体見てあんなあっさり...?


好きなシーンは、お互いの父親の話をする場面。小さい頃から語学を叩き込むライダルの父と、トラック運転手のチェスターの父。「きみは幸運だよ」って。
(自分は大した教育受けずに詐欺で大金稼いでるのに、きちんと教育されたきみがなぜギリシャで観光客相手に小金ちょろまかしてガイドやっとんねんっていうのもあるよね、きっと。)
それと、空港でチェスターがライダルの父を褒めたあとに、子どもの頃は神だった父親が大人になると粗が見えてしまうって話すところ。なんか、多かれ少なかれみんな通るよなぁと。
あとは、夢希望が指の間からすり抜けていく~のとこ。虚無感を埋めてくれるコレットの存在が拠り所か...最後にはコレットもすり抜けていった...ライダルが奪ったというより自分で首絞めた感があるけど...


結局こうなったらどうなっちゃうの?と思ってたけど...やっぱりそうなるしかないのか😢
撃たれた時ライダルはなんで「クソ」ってどういう感情?愛憎?
父親の葬儀に出なかったのに、チェスターのには...

空港でわかれた時にトランクから盗んだコレットのブレスレット...(やっぱりコレットにも執着あったのか...?)と思いながらも、
最後はお墓に埋めて返す...
...最後に失望させたこと謝ったから?哀れみ?
思えばタクシーに忘れたのを届けたところからこの逃亡始まったよなぁ...
コレット、わざと忘れたんだろうか...?
めっちゃ考えちゃう



それにしてもヴィゴはずっと色っぽいなぁ。哀れなのに、憎めない。タバコ似合いすぎ。
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