鹿江光

ザ・ゲストの鹿江光のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ゲスト(2014年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

≪65点≫:普通の面白さなのだが……。
なんだか普通に面白い作品を創り始めてしまったアダム監督。
戦死した家族の友人を名乗る男が突如現れ、親切で頼れる性格に思わず心を許し始めるが――。前半は爽快な「なんだこの男は!」という視点。それが次第に懐疑的なものに変わり、後半は謎と興奮に面白さを抱く。
『サプライズ』の作風とは違い、適度な血の量で、「信頼→疑問→確信」へと変わっていく感情と、謎の男の魅力と強さが相まって、普通に面白いサスペンスになっている。
でも最後まで物事は語られない。絶妙な虫食い状態で、ストーリーを展開していくからこそ、最後まで疑問が続き、見入ってしまう。絶対殺すマン的な存在が襲い掛かってくる恐怖があれば、不死身であることにどことなくカッコ良さを見出してしまう楽しみ方もある。ただ宣伝時の「裏がある」という売り出し方は過剰で、少し残念なところ。まぁ今の世の中、普通にサスペンスを売り出しても売れないとは思うが……。
個人的には『ビューティフル・ダイ』みたいな話も好きで、この監督には、もう少し変わり種の作品を世に出していってほしかった。言ってしまえば、こういう在り来たりで面白いサスペンスも創れちゃうと解ると、いよいよ万能感が溢れてくる。個性は消えていきそうだが。
鹿江光

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