木野エルゴ

オデッセイの木野エルゴのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
4.0
「アレス3」計画を実行中だった火星探査船「エルメス」のクルーたちは、ソル18(火星到着より18日目)に地表で突如発生した砂嵐により撤退を余儀なくされる。しかし、エルメスへの避難途中にクルーのひとりマーク・ワトニーが飛来してきた残骸に巻き込まれてルートを外れてしまう。砂埃による視界不良で探索することは不可能と判断した船長のメリッサ・ルイスは残ったクルーと共に火星から飛び立った。地球ではNASAが公式にマーク・ワトニーの死亡を公表。ワトニーは国葬された。

火星の砂嵐が収まり、残された資材と誰もいなくなった施設のそばでワトニーは目を覚ました。奇跡的に一命を取り留めたワトニーは、取り残されたショックに打ちのめされながらも、次に探査船が火星に訪れる4年後まで生き延びる方法を模索する…


『タクシー・ドライバー』や『イコライザー』みたいな手持ちのものでなんとかするDIY映画が大好きなので、この映画は個人的に当たりだった。

宇宙というほとんど未知の物質しか存在しない場所で限られたものだけを使って問題解決を試みる、というストーリーは過去に何度も繰り返し使われてきたけれど、長期間サバイブするというのはありそうであまり知らない。それだけに飽きることなく最後まで集中が途切れなかった。キウィテル・イジョフォーとベネディクト・ウォンが好きで、とても良い役どころだったのでそれだけでも高得点。あと、ちょい役だけど絶妙なポジションにいたジョナサン・アリスやエンゾ・シレンティにテンションが上がった。

ショーン・ビーンが出てきた時は、ワトニーを助けに行こうと小型宇宙船に乗って飛び立ったところ爆散する役かなとちょっと心配したが、人情派の上司で普通にエンドロールまで生きてた。『指輪物語』のジョークの件は彼がいたからだろうか。

似たような境遇の『ゼロ・グラビティ』や『インターステラー』ほどじめっとしてないので、気軽に見るには良い作品だと思う。

あと、吹き替えが非常に合ってるのでおすすめ。この作品の制作がディズニーの子会社になる前でよかった。
木野エルゴ

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