グリーンツー

仮面ライダー1号のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

仮面ライダー1号(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

仮面ライダー1号は、あんなアーマードスーツにする必要あったかな?と思ったけど、最近のライダーに比べたら可愛いもの。平成ライダーになってからは、何人ものライダーは当たり前、更に主人公のライダーは様々な変身バージョンがある。平成になってからの仮面ライダーの強さは、正義の心以外にスポンサー(特にバンダイ)の欲に支えられている気がしてならない。

更に藤岡弘、と今の仮面ライダーを比べてみると、仮面ライダー自体がかなり変わってしまった。佐藤健や瀬戸康史、菅田将暉らもそうだけど、平成ライダーは子供より母親を意識した人選になってきている。だから悪く言えば、無骨ではなくなった。藤岡弘、やV3の宮内洋は自分で仮面ライダーのスーツアクターもやっていた。でも、そういう存在はもう必要なくなった。是非はさておき、そういう変化を感じさせる作品だった。

で、肝心の内容は…期待以上に面白かった。特に良かったのは敵の設定。ショッカーが「企業」として世界征服を企むなんて、正に今の世界そのまま。今回の「ショッカー・ノヴァ」、「モンサント」など世界的な大企業とやってることは変わらない。正に一部の大企業ばかり優遇した政策ばかり通している日本政府、そしてTPPに対する痛烈な皮肉だと思う。昨日観た「バットマンvs.スーパーマン」より断然分かりやすくて面白かった。

それに、仮面ライダー1号を未だに藤岡弘、がやっているのが嬉しい。アメリカだったら絶対他の人がやってた。というか、アメリカだったらこれだけたくさんの「仮面ライダー」は生まれてない。ウルトラマンのハヤタや仮面ライダーの本郷猛は、正に日本ならではのヒーロー。歳を重ねても、いや歳を重ねるほどカッコよく見える。

やはりヒーローは、日本の方が遥かに面白い。

ただ一つ不満を述べるなら、最初の舞台をタイにしたなら「ハヌマーン」も復活させてほしかった。「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」、あれは歴史に残すべき作品。