ひろぼう

昔々、アナトリアでのひろぼうのレビュー・感想・評価

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)
4.2
これは今の日本にも通ずる物語で、倦怠と欺瞞に満ちた世の中に嫌気がさした医師が、次の世代である子供に微かな希望を託すまでを描いたのではなかろうか。それは偶然のサッカーボールであって、託す相手である子供が不安定な立場にあることが、余計に、弱々しくはあっても僅かな希望を覗かせるのだ。
表面的な事件の顛末を曖昧にして、医師の視点に集約するラストに、監督の思いが感じられたような気がした。
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