昔々、アナトリアでの作品情報・感想・評価

昔々、アナトリアで2011年製作の映画)

Bir Zamanlar Anadolu'da

3.8

「昔々、アナトリアで」に投稿された感想・評価

ワンショットの強さ、映像の緊張感が半端ない。暗い山の中での遺体捜索の場面、捜査員たちの苛立ちが見ている自分に浸透してくるかのようである。
人々の顔、顔、顔の強さ
しかしカタルシスを感じられない映画はどうしても点数低めになっちゃうよね。ぼくが映画に求めてるのって救われることなのかもしれない
Yoshiyuki

Yoshiyukiの感想・評価

3.4
正直あんまり真面目に見ていない、、、。
いい作品だとは思うけど、僕は内容じゃなくて構成的に苦手で、あんまり集中出来なかった。

ワンショットが比較的長く、カメラムーブメントもシンプル。時間の飛躍が少なく回想シーンも無いので、全編ワンカットのような感覚に近い。あまりドラマティックだったり刺激的なシーンも少ないせいか、ドキュメンタリーっぽさも感じた。
個人的には、映画の凄さは、ある程度の量の情報を90-120分という短い時間に盛り込みストーリーを展開できるところ(小説だとそうはいかない)にあると思っているし、きっと僕自身、現代の刺激だらけのエンターテイメントに汚染されているからか、あんまりにスローすぎるものは少し苦手。

でも、テーマや描かれているものはとても興味深いと感じた。観客にいろんな想像の余地を残してくれている作品なので、読み取り方は十人十色だと思うが、僕は「人間の心」にフォーカスが当てられているのではないかとおもった。
色々な人の行動や言動から、人間のとても「日常的」な心模様が描かれている。それほど新鮮味はないかもしれないが、複数の人のこうした些細な感情の動きを客観的な視点で見る機会も少ないので面白い。

また、トルコの風景がとても綺麗に撮られているところも素敵。トルコの普段目にしないような文化に触れられる点も良く、普段で会えない世界に触れられる点では映画の醍醐味を感じられる。
美しく印象的な映像とともに繰り広げられるのはクライムドラマ。といってもヒリヒリするよりも、登場するおじさんたちの人間臭い会話劇がツボ。なかなか進展しない捜査にモヤるが、終盤一気に解けていく。振り返ってみたら濃密ドラマだった。面白かったよー。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.5
2014/10/17鑑賞(鑑賞メーターより転載)
今年パルムドールも受賞して、一躍トルコを代表する監督となったヌリ・ビルゲ・ジェイランの作品を初鑑賞。ある殺人の遺体探しをする犯人と刑事や検事といったむさくるしい男たちのロードムービー的な描写は、地味という言葉よりも遥か地中深くに潜りそうなほど静かで淡々とし、娯楽を求めて鑑賞した人を軽く門前払いする雰囲気に満ちている。しかし、その道中で少しずつ露わになる彼らの虚ろな心、そしてその向こう側に浮かび上がる幸福への渇望の描写には、生半可でない作り手のスキルとセンスが感じられる。これは他の作品も観てみないと。
話の内容は把握し切れないのだけど美しい映像が何度も見たくなる、つまり映像が記憶に残るような映画こそ良い映画だという考えを持っているのだが、この作品はまさにそんな映画の一つ

何か事件が起こったようだけど仄めかされる程度でその全容は最後まで明かされず、見終わっても疑問が残りまくりの映画だけど、前半の怪しげな夜の捜査のシーンに中盤の蝋燭が灯された部屋のシーン、後半の加害者と被害者家族の会合のシーンと、印象に残るシーンが本当に多く長めだけど何度も見たくなってしまう

特に蝋燭のシーンが出てくる女性がまるで女神か聖母のようで、こうした神秘的な映像を作ってくれるからこそヌリ・ビルゲ・ジェイランは素晴らしい監督だとしみじみ思う
1127sn

1127snの感想・評価

5.0
夜の草原を照らすヘッドライト。この不思議な美しさ、見たことがなかった。生と死の曖昧。
ロラン

ロランの感想・評価

4.0
ジェイランの最高傑作。キアロスタミのフィルムを夜にしたような映画。立ち寄った男たちを照らす中盤の少女が素晴らしい。蛇足に思える後半も好き。終盤の窓越しのショットとエンドロールの音が忘れ難い。
水の街

水の街の感想・評価

3.5
ヘッドライトを照明に、夜の沈黙を映し出す。壮大な自然の美しさは冷酷で、彫りの深い顔立ちの役者達が深刻そうに妙な会話をする辺りに、展開を期待をするも、上手くハマれず…。時折見せるロングショットの長回しは異次元的な映像美だった事は確か。
slow

slowの感想・評価

4.6
一抹の光を残す草原の向こうから、3台の車が走ってくる。停まった車から連れ出されたのはある事件の容疑者。どうやら死体を遺棄した場所を尋ねられているようなのだが、もごもごと歯切れが悪い。何か企みでもあるのだろうか。やがて空は静まり、車のライトが照らす辺りが煌々と輝いている。

主要な人物は医者、検事、警部、容疑者。
それぞれが愚痴や身の上話をするのだが、それに対する応えや相槌はどれも曖昧だ。
男達の態度は殺人事件の捜査にしては軽く、誰もが他人事のよう。物語のテンションは2時間半、この調子である。
しかし、この会話がとても面白い。さらにそれぞれの行動や間で人柄まで見えてくるから上手い。
トルコ映画で浮かぶのは、セミフ・カプランオールのユスフ三部作。映像はこれに近いものがあり、能動性を求められる映画の部類かと。
幾つもの屍と美しい光。ラストの未視感。
長尺だが1回、2回と観ると、より楽しめると思う。

きっと、誰かが語る日が来るのだろう。
昔々、アナトリアで…と。
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