MMM

パレードへようこそのMMMのレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
4.4
「まずは何より、同じ人間ってことだよ。」

僕は、ストレートで、アライ(支援者のこと)だ。
でもその前に、ひとりの人間だ。

この世の中、ラベリングだらけだと思う。
「あいつは◯◯だ。」、「こいつは✖️✖️だ。」ってね。
そうした他人への評価が、裁きが、レッテル貼りが、本当は同じ人間なのに、さも違う生き物かのように、差別を助長させ、分かり合える機会をみすみす無くしてしまうことに繋がってる。

僕もかつては、そうだった。
今でも時より、無意識にラベリングする自分が出てくる時がある。
そんな時は、自分で自分を諌める。
長年刷り込まれ、培ってきた〝常識〟というやつは、ほとんどがただの偏見だったりする。
だからこそ厄介で、そう簡単には消えない。
この映画に出てくる炭鉱夫たちも、セクシャルマイノリティも最初はそうだったろう。
自分たちの常識に囚われ、恐れていた。
けれど、心を開いて、歩み寄ることで、寄り添うことで、お互いを理解しあい、最後には法制度まで変えてしまう結末を勝ち取ったのだから、僕は素晴らしいと思った。嬉しかった。
本気のアクションは、世の中を動かす、とね。

僕も学生時代に、有志の仲間と共にこの映画に出てくるような、レインボーパレードを開催したことがある。
大学の学生企画を応援するプロジェクトで、コンペに参加し、助成金を手に入れ、学生主催としては全国初の取り組みだった。
目的は、「生と性の多様性を祝福しあう」こと。
つまり、どんなセクシャリティでもカンケーない!お互いの生き方を認め合い、共に楽しむ祭りにしよう!ってこと!
まさに劇中のチャリティイベントと同じような感じ!
そしてそこから、お互いのことを考えるキッカケにしようってね。

大変なことも多々あったが、その過程で出会う人々に良い刺激をたくさんもらった。
何より、パレード当日の会場の自由な雰囲気は、僕に「多様性」とはなにかを優しく教えてくれた。
どんな格好でも、どんなセクシャリティでも、誰からも奇異な目で見られることはない。そこにいる人々はみな笑顔で、好きなように生きていた。僕を含めて。
そして、パレードで虹色の旗を掲げて、約600人の先頭を切って街の中心地を歩いたことは、今でも誇らしい。
歩き始めは、受け入れてもらえるのか不安で、怖かったけれど、そんな考えはまったくの杞憂だった。
この経験が、僕の人生の舵を切らせてくれたことは、言うまでもない。

人々は、分かり合えるし、支え合って生きていける。
本気で動けば、必ず助けは集まってくるし、世の中に変化を起こせる。
それが、誰かの人生を変えることだってある。
そんな素敵なメッセージをみせてくれた、思い起こさせてくれた映画だ。

ありがとう。
MMM

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