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パレードへようこそのoikawaのレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
3.5
1980年代半ばのイギリス、ストライキを続ける炭鉱夫達に対して、レズビアンとゲイの集まりが募金による金銭支援を行ったていう実話を元にした映画。

良い映画だしお勉強にもなる。

炭鉱ストだとか当時のサッチャー政権のことなんて「あ〜、小さな政府とかなんか聞いた記憶が…」くらいの知識で見ましたが、全く問題なく楽しめたし、むしろ観終わった後改めて調べ直すきっかけになりました。

まだまだ『LGBT』なんて言葉もない時代、それでも自分たちの権利を誇りを持って主張する活動的なロンドンの若者たちはとても魅力的だし、あとめっちゃオシャレ。炭鉱村の子供たちにも大人気だった色白美形のジェフとかすごく好き。

彼らに支援を受ける炭鉱村の人たちも、初めは偏見を持ちつつもすごく人間らしい理由やきっかけで打ち解けていくのが良い。モテるためにダンスを教えてもらおうとする小太りの若者とか、性に対して開放的な同性愛者達に感化されてちょっと若返ってはしゃぐおばちゃん達とか。

性別も年齢も性の対象も違う人たちが楽しげに酒を酌み交わしたり踊ったりしてるだけでなんだか泣けてくる。偏見っていうモヤモヤをグッと潜り抜けた先にはちゃんと人間がいるんじゃん。っていう。

エイズっていう重いテーマも出てくる映画だけど「人生は短いんだ」っていうセリフはだれの心にでも刺さるものだと思うし、「希望がなきゃやっていられない」から劇中ではそこまで暗くなる感じはなかった。ここら辺のバランスの取り方はちょーど良かった気がします。

なんかダラダラ長くなってしまったけど、ほんと良い映画でした。ただ、がつーん!と心に残る映画かと言われれば個人的にはそこまででもなかったです。でもほんと良い映画だった!
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